むち打ち

◎交通事故の後に首を痛めた場合は「むち打ち」といわれます。慢性的に首の故障をかかえ、さらには手に継続的な痛みやしびれがあれば「頚椎症」の疑いがあります。鍼灸はこうした病気の治療も得意にしています。

 

○むち打ち、頚椎症

・原因・・むち打ちの多くは交通事故で起きますがスポーツが原因で起きる場合もあります。頸部に大きな衝撃を受けて筋肉や靱帯を損傷する事で発症します。「頸椎捻挫」という診断を受けることがあります。首におもだるさ痛みがあり、上下や振り向く動きが充分にできません。慢性化すると手にも痛みやしびれが出てきて大変辛い状況となり以下の頚椎症と臨床的には大差がない状態となります。

 頸椎症は主に左右どちらかの手に痛みとしびれが出る病気です。最近では「頚椎症性神経根症」という診断を下す場合もあります。むち打ちから移行してくる場合もありますが、中高年が加齢によって発症している場合もあります。また長時間の事務やパソコン作業によって発症する若い人も増えています。
 単に手のしびれや痛みだけを訴えて首との関連に気づいてない方もいます。問診の中で首を上下、左右に動かして頂くと初めて首の動作が充分にできないこと、首の特定の角度で手の痛みやしびれが改善したり増悪したりすることに気づいて驚くかもいます。首の異常に気がつかない場合でもほとんどの方が肩首の強いこりにも悩まされていて、「肩こりには鍼が良いらしい」ということで来院される方もいます。しかし鍼灸は単に肩こりに良いだけではありません。こうした苦しい症状の根本的な原因である首の緊張をゆるめ、体全体のゆがみを元に戻していくものです。

 ・治療・・まず漢方鍼治療で脈を整えます。脈がきれいに整えば、スイッチが入ったように全身の新陳代謝が促され、患部の緊張もほぐれて慢性的な炎症が緩和していきます。
 頸部は慎重に扱わねばならない部位である上直接の施術にあまりなじみません。仰向けで首の緊張を取っていく方がむしろ確実な治療になります。又背中、上腕部にも良い治療ポイントが現れることも多く、足首周りのツボもしばしば大変効果的です。必ずしも痛む部位を施術するわけではありませんがそれがもっとも効果的で早い回復を狙ったもので巣から、安心してお任せ下さい。

 ・養生・・体を冷やさないことは大変重要です。保温を心掛けますが、湿布やカイロで無理に冷やしたり暖めることは慎重にして下さい。却って回復を遅らせている場合もしばしばあります。自分にとって本当にプラスになっているかどうかを良く観察して下さい。
 首が悪い人は首の運動をするように勧める先生もいるようです。上手に指導して頂ければよいのですが、雑な指導で首の運動療法をすると却って悪くすることがありますのでくれぐれも慎重に。私のお薦めは手首足首のストレッチ、柔軟体操です。手首はもちろんですが実は足首が硬くなると首も硬くなります。関係はとても密接です。ゆっくり呼吸をしながら手首足首をぶらぶらしたあと、手でつかんで回してみて下さい。コツはやり過ぎないこと。気軽にやることでしょう。

 

                                                     2017.05.02