突発性難聴

・概要

 突発性難聴はある日突然耳の聞こえが悪くなる病気です。大抵は昨日まではごく普通に聞こえていたのに朝起きていたら耳鳴りがして聞こえも悪くなっていたという具合です。中にはめまいを伴うこともあります。

 原因は大抵不明ですが、内耳へのウイルス感染、内耳全体の血液循環の悪さ、外リンパの炎症などが考えられる場合もある様です。

 中には聴神経腫瘍が原因となってこの病気を引き起こす場合もある様です。しかしこうした耳鼻科的な病因が特定されることは大変希です。私の経験でもいままでこうした特定の病因を診断された方が来院した経験はほとんどありません。普通耳鼻科では突発性難聴の患者さんに対しては症状から診断するとすぐに治療に移行するのが普通です。

 治療は主にステロイド剤を使用した薬物療法です。安静を保つことを目的に入院した上での点滴治療が進められる場合もありますが、それが無理な場合は服薬による外来での治療も行われます。治療期間は大抵一週間から10日です。その時点で完治してればよいのですが、多くの方は完全に回復しているわけではありません。中には発病直後からほとんど改善がない方も珍しくありません。しかし病院の治療はここまででお終いです。

投薬治療でをそれ以上継続しても効果が認められない、ということのようです。

しかしまだ難聴や耳鳴りの症状が取れずに不安で苦しい思いをしている。そういう方が「突発性難聴には鍼がよい効果がある。」という事を聞いて来院するケースが多いようです。

 

・治療

耳の異常は多くは腎臓の働きが悪くなっている事で起きます。また首から耳にかけての筋がガチガチに張っていることが多いものです。漢方鍼治療ではまず脈診をしてから腎の働きを中心に整えていきます。鍼治療の結果体が調って脈が優しく打つ様になると、自律神経の働きが回復し、肩首の緊張が和らぎ内耳周辺の血流も改善します。

また突発性難聴の多くは各種ストレスの影響を受けて発病する場合が多いと云われています。浅眠や不眠といった睡眠障害、寝ても解消しない慢性的疲労、肩こり、食欲不振といった自律神経失調的な症状を併発している方が多いのですが、鍼灸ではそうした症状に対しても効果があります。

人によって治療の効果は一定ではありませんが、治療後直ちに症状が改善する方も少なくありませんが、何回か治療回数を重ねた後に改善してくる方もいます。突発性難聴は発病後時間が経過していないケースほど良い回復をします。

上記の様に病院では薬物療法の期間が終わると全く治療の手段が無くなるのに比べると鍼灸は発病後1年経ってもより良い回復を期待して治療をする事ができます。

 

・養生

突発性難聴はストレスによる病という側面が強いのです。その為病院でも可能な限り入院をさせてストレスフルな日常生活から距離を置いて患者の心身を休ませようとするわけです。患者さん本人も心掛けてストレスから遠ざかり心身を休めるようにすることが大切です。

一番大切なのは睡眠です。人は寝ている間に深い新陳代謝を通して体を修復していくものです。質の高い睡眠を目指して早めの就寝を心掛けて下さい。寝る直前までテレビやパソコンのモニターを見ていると頭に血が上りきってしまい、眠りが浅くなってします。早めにそうした光から遠ざかって目や脳を休ませて下さい。

眠りが浅くて疲れが取れない方は「温冷浴」を行うと深く眠れます。温冷浴は入浴の際にお湯と冷水を交互に浴びることで自律神経の作用の正常化を促す方法です。是非試してみて下さい。https://deepmuscle.info/basic/1453/ 

最近はスマホの中に音楽プレヤーのアプリが入っていて、多くの人がイヤーフォンで音楽を聴いています。しかしイヤーフォンの長時間使用は鼓膜を痛め、難聴や耳鳴りの原因となります。突発性難聴になった人はイヤーフォンでの音楽聴取は当分やめなくてはいけません。