横浜市中区関内の鍼灸専門院 「泉堂はり灸院」

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2016年:漢方鍼医38号 巻頭言「学術研究を固定化せず」

2018/04/08 | カテゴリー:最新情報, 横浜泉堂鍼灸院長の考えていること

 数年前に池田先生のお弟子さんのO先生をお呼びした時のことです。池田先生が中心になって書き上げたテキスト「日本鍼灸医学」が経絡治療学会諸派の中でもほとんど用いられていないと聞いていましたので、「それはどうしてでしょうか?」とお伺いしたところ、「経絡学会の古い先生方の中では今でも岡部・井上が最高なのです。あの時代に既に全てが出尽くしているんだと。もちろん両先生に並ぶことは決してできないのだが、我々は只ひたすらに岡部・井上という高い山を登っていくんだ。そういうものだ。」と言われたことがあるそうです。つまり「岡部・井上の時代に無かったものを学ぶ必要はない」というそういう考えで活動をしている方々がいるとのことでした。

一昨年他の会のある先生にお会いしたとき初対面でいきなり「漢方鍼医会の流祖はどなたですか?」と聞かれました。意外な質問に私は少々面食らいましたが「本会には流祖はいません。その時々の古い会員を中心に皆で研究を進めている会です。」とお答えしたところ、少し驚いていました。流祖も無しにこうした会運営が可能なのだろうか、と思われたのかもしれません。

又私の友人に経絡治療の老舗の会で30年ほど活動している人がいます。先日彼女と話をしたところその会では本会でいう研究部に相当する場がないという事を知りました。会としての活動は新人等を対象とした研修会、セミナーの運営とのことでした。

多くの古典鍼灸の会が我々とは違った形態で運営されているということを知って今更ながらに驚いています。以前会長であった福島先生が折に触れて「他の会は塾であるが、我々は研究会である。」と仰っていたのはこうした事情をご存じだったからだろうと思い当たるようになってきました。

流祖が既に存命でない場合には残された書物などからその足跡を辿ることが主な活動になるようです。治療内容も大きな変化、進歩は必ずしも望めない場合があるのかもしれません。存命中の場合は流祖が学習内容を一手に決めていく形態が多いようですから、流祖の進歩に従って進んでいくのかもしれません。どちらにしても一般の会員にとっては学習内容が既に決められている気楽さはある様な気がします。

本会の場合は「学術研究は固定化されたものであってはならない。」という会則が第1条に規定されています。これは過去の色々な経緯からくみ取られた会運営の要として、本会の創設に携わった先生方が大切にしてきた精神です。常に進み続けるのはなかなかに大変な面もありますが、そのおかげでこの20年の漢方鍼医会の大きな歩みがあり、活動に携わってきた会員個々の進歩もあったのだと実感しています。

総会の学術部長報告にも書きましたが毎月会員による活発な研究発表が行われているのは本会の特徴であり誇りとして良いことです。これからも今まで同様皆で知恵を絞りながら古典鍼灸一筋に歩みを進めていきたいと考えています。

 

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