骨折後の痛み・2

古典を見てみるとこの方面でいくつかの記述があります。

『霊枢』
・寒熱病篇
「若しくは堕墜する所ありて、四支懈惰《かいだ》にして収まらざるは、名づけて体惰と曰う。其の小腹臍下の三結交に取る。三結交なる者は、陽明太陰なり、臍下三寸の関元なり」
・賊風篇
「若し堕墜する所あれば、お血内に在りて去らず」
霊枢の上記2つの文章を足すことで「転落事故は脾虚肝実」と解釈することができます。
『素問』
・繆刺論篇
「人堕墜する所ありて、お血内に留まり、腹中満脹し前後を得ざれば、先ず利薬を飲ましむ。此れ上は厥陰の脈を傷り、下は少陰の絡を傷る。足の内踝の下、然骨の前の血脈を刺して血を出だし、足のフ上の動脈を刺す」
・張景岳の説
「堕墜すれば必ず病は筋骨にあり、肝が筋を主っているところから上は厥陰の脈を傷るといい、腎が骨を主っているところから下は少陰の絡を傷るといっているのである。然骨の前を刺して血を出すとは、すなわち少陰の絡をいう」
つまり転落のダメージが骨に達すれば少陰腎経に処置をするべし、という意味の記載です。病位を見定めて治療する必要があるという事でしょう。とはいえ肌肉にも十分にダメージがあると思われますから、脾虚肝実が立たないというわけではないと思います。