心の治療:2014:心積を治療する時

九月二十日前後の秋分の日から十一月二十日前後の小雪までが五の気です。

この季節には心は積聚の位置に入ります。

つまり心積を治療しやすい時期に入ると言うことです。

心積とは心の働きの障害に由来する疾患のこととかなり広く捉えています。慢性の循環器疾患やある種の感情障害のなかに心積にあたるものが有る場合があります。

(とはいえ病名治療は漢方医学にはなじみません。○○病はこの臓の積で有ると言った言い方には先生も大変慎重です。)

積聚治療の基本的な考え方は難経五十六難の応用です。

この気を例に取れば外邪は肺にやってきますが肺は旺気している故にこれを受けず、子である腎に伝えます。腎で病となって腎病になります。(腎が受邪臓となります)腎は腎病を相克経である心に伝えます。心はそれを相克経である肺に伝えようとしますが肺は旺気している故にこれを受けず心に返します。そして邪は心に滞留して心積を作ります。というわけです。

心積は腹診の心の部位に塊を形作ります。また腎病から始まりますがその特徴は「胸中煩悶」などの心の病症です。こうした記述を踏まえた上で苞徳会ではまず積聚の目安である腹部の塊は必ずしも無くて良いと言うことになっています。それは「塊が形成される途上であろうけれどもまだ形成されていないのだ。」という考え方です。むしろ癪の説明でいちいち記述されている症状の記載こそが理解の鍵である。各五臓に偏った慢性的な症状があれば積聚の治療が適用できる可能性があると考えておられるようです。

(精神的な疾患に関しては西洋医学的には色々な病名があります。その病名が我々の弁証に決定的な役割を果たすわけではありません。いわゆるうつ病、特に中高年男性が社会や会社の行く先自分の未来をあれこれ考えている内に悩み苦しみ食欲が無くなり、不眠となったような人は「慮かれば脾を破る。」

女性が月経の周期などの関係でさほどの理由も心当たらないのにイライラして怒る、或いは鬱々として楽しまない等は「肝の疏泄」に目を向けるものです。)