心の治療:2014:心熱の理解は疫病との戦いの歴史から.4

疫病の際には医者はひたすら苦寒薬を大量投与して天に幸運を祈る。こうした状況は少なくとも2000年、もしかしたらもっと長い期間東アジアの普遍的な情景であったのではないでしょうか。18世紀に エドワード・ジェンナーが種痘法を開発し伝染病に対する強力な治療法が普及してようやく終わりを告げたものと思われます。

(・東堂の言葉は「去年息子を助けられなかったからと言って私を責めないでくれ。あれは彼の天命だったとあきらめるしかないのだ。この薬を飲めば娘も又同じように苦しむだろう。だがたとえどんなに苦しくとも、この処方を飲む以外に助かる道はないのだ。」の意か。

・名医といえど家族には遠慮無く攻められている。東堂は日本漢方の祖。傷寒論聖典視の初めだが、いざとなると六経弁証などはどこかに行っているのではないか。橋本先生・・我が子が生きるか死ぬかという時に天地人なんてやってませんよ。)

 

苦味は心に作用して過剰な熱をおさえます。さらに火経の経絡全体を活性化し、熱を強力に下焦に押し下げます。その力は時に疫病にさえ打ち勝ち、起死回生の回復をもたらすことすらある。

そうであるならば我々現代の鍼灸師が診察室で出会うような中軽度の病人に対してその下(清)熱の効果は如何ばかりか。

苦寒薬の代わりに火経そのものを補瀉方にて操作する技術を研究して、大いに臨床に用いるべし。というのがこうした歴史を踏まえたうえでの私の認識であります。