心の治療:2014:三焦治療考察

さらに心心包といった火経の剛柔関係に当たる膀胱経の強力な働きも見逃すことはできません。心兪厥陰兪といった背部の経穴から腰背を通じていっきに足底にまで陽気を運ぶ働きをしていると思われます。

こうした基本的な五臓と経絡の生理をおさえてからさらに考察を進めます。

 

過去において我々は三焦経の治療というものを重要視してきました。それは東洋はり医学会時代の福島弘道先生の時代にさかのぼる事ができるほどのものです。

三焦経は重要である。何か特別な働きがあるようだ。というわけで、通常の本治法が終わった後に三焦経の補いがさらに必要であるかどうかを確認し、効ありと見ればこれを補い治療を終える、というものでした。これが決まると脈は一層穏やかに、和緩を帯びて、ツヤのある脈へと変わったものです。

いまにして見るとあれは「心熱」あるいは「上焦に溜まった熱」を下に下ろしていたのではないかな、と思うのです。

 

火経の経絡の中で、長く少陰心経はタブーとして本治法に使うことを禁じられていました。

厥陰心包経は六十九難の原則適用による脾虚証の治療以外では使用する事はありませんでした。

膀胱経を用いた剛柔治療はその存在さえ知られてませんでした。

腎水を補う方法は以前からよく知られており広く用いられていましたが、今にしてみれば火経自体とその剛柔を触るほどには適応範囲の広いものではありませんでした。

小腸経は発見されず、三焦経だけが偶然にも発見され、正体不明の治療として愛用されてきた、ということだったのではなかったのでしょうか。