心の治療:2014:冬に腎水を補い、夏には心火を瀉す

心熱とはまずは「心臓の活動に由来して発生した過剰な熱」というほどの概念と捉えて良いのではないかと思います。それは火経を中心とした経絡の働きの障害を示しています。

それらの経絡がもつ熱を下焦に下ろす働きが回復すれば心熱による症状は速やかに改善します。

しかし私は特に心の治療の対象は心熱と限る必要はないと感じています。それら火経は心熱だけを選んで下焦に下ろすわけではなく、上焦に上がってきた熱は何であれそれを下に下ろす働きをしているように思います。要は上焦に熱が溜まっている兆候があれば試みて良いのだ、とそう感じています。

下が冷えて上が熱するのは多くの患者に出現する普遍的なパターンです。下が冷えれば腰膝が痛み、下肢が浮腫んで、厥冷に苦しみます。駆逐された熱は上焦に登り頭痛肩こり、五感器の不調、不眠、精神不調のもとになります。そして内因にプラスして外因が加わります。冬期は寒さで冷えがひどくなり、夏期は暑さで熱がひどくなります。こうした寒熱の病を持つ人には「冬に腎水を補い、夏には心火を瀉す」を基本方針として治療を進めていきます。

この場合の夏冬はかなり感覚的なことです。春先でも充分暑くなる日が出てくればもう夏と考えても良いかも知れません。寒くなってくればもう冬、その程度のおおざっぱな話。スパンの大きな概念の話ととらえて応用してみて下さい。