味覚異常と鍼灸

 

60代女性。2年前に風邪を引いた際、風邪薬を服用後味覚障害を発症しました。

舌が堅くなり、ざらざらとした違和感があり、味覚がほとんどありません。

当院にて数回の治療後、舌が柔らかくなり、ざらざらした違和感は遠ざかりました。1ヶ月半の間に10回ほどの治療を行い、今では味覚もずいぶんと戻ってきた、と大変喜んでおられます。

この方の場合は逆流性食道炎に伴う胃痛もありましたが、胃の治療も同時に行うことでそうした症状も緩解してきています。舌も胃も東洋医学で言う脾胃の一部ですから、味覚異常の治療は胃の治療と一緒に行うことで良い効果出すことができるものです。

味覚異常は病院ではあまり丁寧に診てくれないイメージがあります。西洋医学では舌、或いは舌のみではなく、軟口蓋および咽頭も味覚に関わっているとして、それら諸器官、或いはそこに分布している神経系統の異常、という考え方をしているようです。

漢方理論では脾胃の働きといって消化吸収の働きの低下が原因と考えて治療を行います。さらに経絡理論により手の小指につながる「少陰心経」がこの問題に大きく関与していると考えておりますので、同経絡上の諸穴から最も反応が出ているものを使い適宜施術します。

穴に鍼をしたとたんに「あれっ味が変わった!」と敏感に感想を言う方もいます。そういうものです。