六気の治療要約.2

3.癪の治療:難経五十六難

囚の臓は当気の積の治療となります。比較的多く、高い効果を期待できます。

各々の積の治療には以下のように標準穴が上げられていますが、これは決して固定されたものでは無く、幅のあるものです。そのようにご理解下さい。

癪の治療は以下の四つのパートから構成されています。(すべて瀉法)

 

例:肝積(四之気の囚)

①囚にあたる大腸と肺の瀉法。選穴は大腸は当気の土邪に対応する兪穴。肺経は子穴にあたる経穴(実するものはその子を瀉す:六十九難)

 

②肝の陽腑にあたる胆経を瀉法して陽経から時邪を抜きます。 ③肝の栄穴と兪穴の間を導通治療。(汎用大針の金鍼と銀鍼を左右の手に持って同時に二穴に当てて、一定の時間気を流す治療)これは脾から肺に送られた土邪が、肺から肝に送られる訳ですが、その送る邪の勢いを弱める為に、肺を尅する立場にある心(栄)の働きを強め、肺に送られた土邪(兪)を叩く目的を、積になっている蔵の経絡上の穴を使うというのが、行間(栄)~太衝(兪)を使う理由になっています。

 

④肝の原穴と胆の絡穴を導通治療。:陰臓の原穴と陽腑の絡穴を結ぶことを「経別治療」と呼んでいます。臟に直接働きかける治療であるとのことです。

 

⑤陽明胃経上の下腿前面の経穴が五積に対応しているとの理論があり、これを応用した治療です。八木先生が中国古典から掘り起こして応用しているとのことですが、現在では出典不明とのことです。目的は腑の熱を取るためです。

 

肝積:条口  心積:下巨虚  脾積:足三里  肺積:上巨虚  腎積:豊隆

 

積の治療・標準穴

肝積(肥気) ①三間(大腸・兪) 経渠(肺経・経) ②臨泣(胆経・兪)

③行間(肝経・栄)~太衝(肝経兪)

④太衝(肝経・原)~光明(胆経・絡) ⑤条口

心積(伏梁) ①昆侖(膀胱・経) 陰谷(腎経・合) ②陽谷(小腸・経)

③神門(心経・兪)~霊道(心経・経)

④神門(心経・原)~支正(小腸・絡)⑤下巨虚

脾積(痞気) ①陽陵泉(胆経・合) 太敦(肝経・井) ②三里(胃経・合)

③商丘(脾経・経)~陰陵泉(脾経・合)

④太白(脾経・原)~豊隆(胃経・絡) ⑤足三里

肺積・息賁 ①少沢(小腸・井) 少府(心経・栄)②商陽(大腸・井)

③尺沢(肺経・合)~少商(肺経・井)or魚際(肺経・栄)

④太淵(肺経・原)~遍歴(大腸・絡) ⑤上巨虚

腎積・(奔豚) ①内庭(胃経・栄)太白(脾経・兪) ②通谷(膀胱・栄)

③湧泉(腎経・井)~然谷(栄)

④太渓(腎経・原)~飛陽(膀胱・絡) ⑤豊隆

 

・鈴木先生によれば積の治療は以下の病名の治療に適応する場合が多い、との事です。さらに皆で研究を進め、この表を補強、充実させるべきとのお考えです。

肝積 めまい、難聴
心積 脳卒中後遺症、胃ガン、狭心症、心筋梗塞
脾積 うつ病、顔面神経麻痺、神経痛全般
肺積 アトピー、花粉症
腎積 パニック障害、子宮筋腫